「文章」を拡張した表現をしていきたい。文筆家・佐々木ののかの新たな挑戦

「纏う・戦闘服」 家の外、そこは戦場 大事なものを守るように 隠すように 傷つかぬよう 私たちは服を着る

佐々木ののか

佐々木ののか

「家族と性愛」をテーマに表現をする文筆家。「五体満足なのに、不自由な身体」など、数々の作品を生み出す。

「家族と性愛」をテーマに、オルタナティブな家族の形やパートナーシップについて執筆する文筆家・佐々木ののかさん。最近では、動画制作やトークイベントの登壇、演劇など、ボーダーレスに活動しています。

そんな彼女がpickiを通し、アパレルブランド『あなた』を立ち上げることに。クールな赤髪に、個性的なファッションを身に纏う佐々木ののかさんが作る「いつかは手放してほしい服」とは一体どんなものなのか、お話を伺いました。

【佐々木ののか・(ささきののか)】文筆家。「家族と性愛」をテーマに「五体満足なのに、不自由な身体」など、数々の作品を生み出す。

タカハシ

はじめまして!佐々木さんのファッションもさることながら、髪色もすごく素敵です。


 
佐々木ののか

うれしいです!あるとき、「自分を変えたい」と思って行きつけのネイリストさんに紹介してもらった美容室に行ったんです。


「毛先だけ青くしたい」と考えていたので美容師さんに伝えたら「自分を変えたいのに毛先だけでいいんですか」と半ば本気で怒られて(笑)


私も勢いで「じゃあお願いします」と答えました。

タカハシ

漢気…!


 
佐々木ののか

当時は黒髪ロングヘアーだったのですが、最終的にはピンク色のボブヘアーになりました。1回染めたら気に入って、その美容室に通い続けています。

タカハシ

髪色を変えて変わったことはありますか?

 
佐々木ののか

毎日鏡を見るたびに髪の毛が明るい人がいるので気持ちが元気になります。


元々は無印良品やA.P.C、Bshopの服が好きだったのですが、髪の毛の色に影響されてプレーンなお洋服をほとんど着なくなりました。

タカハシ

かなりの心境の変化があったんですね!お気に入りのブランドはありますか?


 
佐々木ののか

好きなブランドはなくて、古着が好きですね。

髪色を派手にするたび服装に悩むので、行きつけの古着屋の店員さんに「この髪に合うものをください」と伝えています。

いろいろ話を聞いてくださるので、信頼しているんです。「あの人、勧めた服全部買うな…」って言われていると思います(笑)

いつかは
脱ぎ捨ててほしい
『あなた』の服

タカハシ

髪色に合わせてファッションも変える…楽しそうです!

そんな中、アパレルブランド『あなた』立ち上げに至ったかと思いますが、服作りに携わろうと考えたきっかけはありますか。


 
佐々木ののか

中学時代からファッションに興味があって、ライターを始める前は服飾小物メーカーに勤めていました。

そこで、プロダクトに職人の思想を込めているのが面白いと感じて。

私も、昔から好きだった洋服に、思想や言葉をのせられたらと漠然と考えていました。まさか夢が叶うとは思わなかったですね。

タカハシ

洋服のデザインもおもしろいですが、こだわったポイントはありますか?


 
佐々木ののか

1つ目は、株式会社噂のデザイナー・ムーポンさんのデザインです。

文字に緩急や音声的な要素が落とし込まれていて、「デザインの力でこんなに文章の見え方が変わるんだ!」と感動しましたね。

 

 
佐々木ののか

2つ目は、私が好きな洋服からインスピレーションを得たディテールです。

横幅の長さが1メートルくらいあるんですよ。

着る人を選ぶデザインなので売れなかったらどうしようと躊躇していましたが、pickiさんが「妥協しないでください」と背中を押してくださったので、作ることに決めました。

タカハシ

着てくださる方の背中も押せますしね。

ちなみに、どういう方に届けたいと思っていますか?

 
佐々木ののか

私の延長線上にいる“あなた”、ですかね。

私は自分が本当に書きたいものを書いているだけで、誰かのために文章を書いたことってなかったんですよね。

でも、やっぱり読んで受け取ってくれる人がいることは私にとって救いなんですよ。

読み手の方に何かしらメッセージを発信したり、交流したりしたい気持ちはじわじわ高まってきていたこともあって、“あなた”が主役の服を作れたらいいなと思いました。

誰かのために文章を書くことなんておこがましいし、媚びてしまうようで嫌だったんですけど、普段私の文章を読んで喜んでくれるような、私の延長線上にいる“あなた”を想ってなら書ける気がして。

タカハシ

でも色が赤でデザインも特徴があって、着られる人が限られそうですね。

 
佐々木ののか

文章もデザインも色もクセが強いんですけど、少しでも着てみたいと思ってくださっているならまずは着てみてほしいですね。案外しっくり来るかもしれないし。

髪色を変えたら着る服が変わって気分が変わったように、着る服を変えたら行動も変わってくると思うんです。

強そうな服を着たら無敵な気分になれるとか。そうなったら服を手放してほしいですね。

タカハシ

ずっと着続けるのではなく……?

 
佐々木ののか

もちろん服として好きでいてくれるならずっと着続けてほしいのですが、“お守り”として買っていただいた場合はできるだけ早く手放してほしいですね。

『あなた』の服が最終的には必要がなくなったらいいなと思っています。

文筆活動を軸に、
次のステップへ

タカハシ

ファッション以外でも、文筆、イベント登壇、演劇……非常に幅広くご活躍されていらっしゃいますが、ジャンルにとらわれずに活動を続ける理由はありますか?

 
佐々木ののか

文筆をメインに活動してはいますが、さまざまなジャンルから良いところを採集していくほうが楽しいなと思っていて。

隣町の食材を使って料理をしたほうが隣町の人とも仲良くなれるし料理の幅も広がるかな、という感覚に近いかもしれません。

 

タカハシ

なるほど! 文章を書く際に意識されていることはありますか?

 
佐々木ののか

昔、尊敬している表現者の方に「他人を熱くさせたかったら、自分も熱くならなくちゃ伝わらない」と教えてもらったことがずっと胸に留まっていて。

書きたいテーマに関しては暇があればずっと考えて発酵させ、一番感情が高まって身体が熱を持ったときに執筆するようにしているかもしれません。

書いている最中はそれどころじゃないので、あまり考えてはいないんですけど。

タカハシ

さまざまな表現に携わっていらっしゃいますが、将来チャレンジしたいことはありますか?

 

 
佐々木ののか

単著を出したいですね。その目標を超えたらやれることや、景色が変わってきそうなので。

特定の”何か”にとらわれず、活動の幅を広げ続ける佐々木ののかさん。

話しているだけでこちらも笑顔になってしまう、パワーを持つ方でした。

そんな彼女が手がけるブランド『あなた』の服は、着る人の毎日を応援してくれる、強い味方になるはず。