質量のあるモノを通じて届けることで “佐々木ののか” に生じた身体変化とは ──

「纏う・戦闘服」 家の外、そこは戦場 大事なものを守るように 隠すように 傷つかぬよう 私たちは服を着る

佐々木ののか

佐々木ののか

「家族と性愛」をテーマに表現をする文筆家。「五体満足なのに、不自由な身体」など、数々の作品を生み出す。

自己表現を形のあるモノで表現し、物理的に誰かに届く感覚は、過去に経験できなかった喜びがあると語るののかさん。


今回手がけたブランドを通じ、文章だけでは届くことがなかった人の行動変容を望んでいるのだといいます。 その心のうちについて詳しく聞いてみました。

 

picki

文章を書く以外にも演劇や本の執筆など幅広い領域で活動をされている理由について教えてください。

佐々木ののか

文筆家・ライターが”真っ当に””上”に上がっていくためには、今第一線で活躍されている方の文章を読んで学びながら、文章を書いていくのがくスタンダードなやり方なのかなと思います。


ただ、私はこう見えて他人の影響を直に受けすぎてしまうところがあって、他人の文章を読みすぎてしまうとオリジナリティが死んで、しかもその方の二番煎じ以上のものは書けなくなってしまう。


他人と違うことだけが価値だとは思っていないのですが、少しでも世にないものを出したいという意識があって、吸収するもの、表現する方法は、いろいろな畑から”採集”しています。

 

「個人向けのことばのお店「ことばブティック」はじめます」参照

 

picki

新しい表現手法を試していく中で、自分の内と外での変化はありましたか?

佐々木ののか

外の変化で言うと、実際に様々な表現の形を試すことで、文章を書くだけの活動ではメッセージが届かなかった人にも関心を持ってもらえるようにはなかったかなと思っています。


今年は「拡張」がテーマなので、いろいろな”街”や”畑”に出かけていって、新しい人との出会いを増やしていきたいです。

 

ZINE「乙女とパンク」 参照

 

佐々木ののか

自分自身の話で言えば、ZINEのように目に見える”モノ”として世に出ると、自分の子どもができた気がしてうれしいですね。主戦場にしているwebは速くダイレクトに届く魅力がありますが、満たされる種類が違います。


あと、ちょっとスピっぽくなっちゃうんですけど、形ある物には質量があって、その場で手渡したときに誰かに届いた実感が得られますよね。そういう体験の積み重ねによって自分の身体が少しずつ変化していくような実感がありました。

picki

形のある”モノ”にするという点においては、今回の「服づくり」もZINEをつくったときの感覚に通じるものがあったのでしょうか。

佐々木ののか

そうですね。ただ、””文章を纏って”もらうのは、ZINE以上に受け手との距離が近くなるので正直なところ気恥ずかしかった部分もあります。


だけど、完成してみたら、すごくうれしかったです。私自身がそうなんですけど、服によって気分が左右されるので、この服を着てくださった方の気分がアガるような服になってくれているといいなと思います。